企業選定行動から始めてしまうと失敗する
単純に言えば、就職活動では、いい企業を選び、その企業の試験に合格すればいいわけです。
しかし、「あらかじめ目標企業を定め、そのための内定行動をする」という流れで、いい就職をするのは、一般学生にはかなり困難です。
なぜなら、就職活動を企業選定行動から始めると、多くの人にとっては、
「いい企業=客観的にみた、いい企業=上位企業」
ということになってしまうからです。
第一部でも書いたように、「いい企業を選ぶ」ということは非常に難しいものです。
多くの学生にとって、企業を選ぶ基準は「上位企業」か「やりたい仕事」、もっと言えば「上位企業」しかありません。
それは、親や学校にとっても同様です。
そして、上位企業に内定するための、テクニックを含めたハードな受験準備を行ない、内定を得るための不毛な競争を繰り広げた挙句、
最終的に、いい就職とは関係のない企業に入るという、お決まりのパターンになってしまうことが多いのです。
つまり、「企業選定行動1内定行動」という流れだと、ほとんどの人は、最初の企業選定の段階で「いい企業=上位企業」となり、上位企業内定至上主義の就職活動となってしまいます。
これは、いい就職の根本である「実力がつくこと=(より高い)実力が求められる仕事に就くこと」を無視した活動であり、いい就職を外してしまうことが多いのです。
ただし、あらかじめ応募先企業を上位企業に設定し、
「企業選定行動 → 内定行動」
の流れで、いい就職を実現できる人たちも少数ではありますが存在します。
東大などの超々難関大学に適う学生や、最優秀な学生なら「企業選定行動1内定行動の流れでも、いい就職ができる可能性が高いと考えられます。
なぜなら、ものすごく就職に強いスーパーマンのような学生(例えば東大生)を「補助的業務で使い捨てにしてやろう」という企業は少ないと思われるからです。
これらのスーパーマン学生は、上位企業からも基幹社員として迎えられることが多いのです。
つまり、自分が知り得る狭い範囲で選んだ、行きたい企業(ほとんどの場合、知名度の高い上位企業)を目標にしても、いい就職の根本はクリアしていると考えられます。
より高い実力が求められる仕事に就くということは、新卒就職のメイン目標であり、それをクリアしていれば、いい就職を大きく外すことはありません。
したがって、彼らは上位企業をめざしていけばいいし、どの上位企業をめざすかは、自己分析をして「今の好き系やりたい仕事ができる企業」を追っていけばいいのです。
もちろん、やりたい仕事は、強引にでっち上げたものではダメですが、興味がある、好き、といった程度のストレートな気持ち(=本音) でかまいません。
例えば、
本が好き → 講談社に入りたい → 受験準備 → 受験 → 内定 →
コンピュータと通信に興味がある → NECに入りたい → 受験準備 → 受験 → 内定
という流れで、就職活動をしていくことができるのです。
当然、「好き系やりたい仕事ができる、上位企業」を追えば、競争率は異常に高くなります。
1000倍となっても不思議ではありません。
しかし、「企業選定行動 → 内定行動」
という流れは、
「東大に行きたい → 受験勉強 → 合格」
と同じ種類のものですから、受験勝者のスーパーマン学生なら、就職戦線でも志望通りの企業に合格できるでしょう。
その結果、「より高い実力が求められる仕事で、より上位の企業に入ること」プラス 「やりたい仕事」というベストに近い就職も可能となります。
したがって、スーパーマン学生なら「やりたい仕事」を見つけて、上位企業の内定ゲット競争に明け暮れても悪くはありません。
今、はやりの自己分析法もスーパーマン学生なら使える手法だと思います。
しかし、
「企業選定行動 → 内定行動」という流れで、いい就職ができるのは、ものすごく就職に強いスーパーマンのような学生だけ
なのです。
端的に言ってしまえば、やりたい仕事は昔も今も好き系しかないと思います。
そして、簡単に言ってしまえば、昔も今も、最優秀な学生は好きな仕事に就けるというだけのことです。
最優秀の学生なら「車が好きだからホンダ」でいいのです。
しかし、そうでない人が好きな仕事を追うことは、おすすめできることではありません。
つまり、いい就職が出来る企業を、あらかじめ選定するのは、ほとんどの場合、無理なのです。
「学生四季報」などを見て、超有名企業の研究や資料請求から就職活動を始めても、
いい就職に結びつく可能性は高くありません。
多くの就職マニュアルでも推奨されている「企業選定行動 → 内定行動」という活動方法は、理論的には間違っていませんが、「スーパーマン学生がトップ企業に内定する法」であることが多いのです。
理論的には正しくても、スーパーマン学生は全学生の一%にも満たないでしょうから、むしろ、特殊なグループによる、特殊な就職活動方法と考えた方がいいと言えるでしょう。
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