50/50の基準は、ほぼ偏差値
新卒就職では、まず50/50の企業群を見つけることが重要です。
50/50の企業群を見つけ、訪問するときが、実質的な就職活動の始まりといってもいいでしょう。
そして、その企業ランクは、自分の総合力(基礎能力+人間性)のランクです。
もちろん、総合力は、頑張って活動すれば上がっていくものです。
理論的に言えば、
本来の、50/50の企業群=いい就職を外さない最大限の準備をし、本音で活動しても落ちない企業群のこと
です。
それが自分にとっての適正な企業ランクです。
しかし、現実的には、50/50の企業ランクは本来の「学生の総合力」ではなく、「(営利を追求している企業という立場からみた)学生の総合力の評価」で決まってしまうことが多いようです。
しかも、学生の総合力の評価は、「現在の総合力」ではなく、「十八歳時の総合力」で評価されていることが多いのです。
特に母集団として考えた場合、学生の評価は、十八歳時の評価、すなわち、ほぼ偏差値通りなのです。
もっぱら基礎能力に関して言えば、多くの人の評価は「基礎能力=学力=偏差値」です。
確かに、仕事は頭だけでするものではありませんし、頭でっかちはいけませんが、実際に学生にとっても社会人にとっても、学力は重要です。
また、基礎能力の中には、就職戦線において不可欠なコミュニケーション能力なども含まれます。
ただ、この「コミュニケーション能力」は「うまく言う力」ではなく、相手を思いやる心、協調性など、すなわち人間性で優劣が決まるものです。
ちなみに、営業マン(セールスマン)にしても、うまく言う力よりも相手を思いやる心の方が、はるかに重要だし、現実に求められます。
実際に、口のうまい人よりも顧客を大切にする人の方がモノを売れるのです。
人間性を上げることなく、中身の伴わない、間違ったコミユニヶーション能力を特訓している人も多いようですが、
うまく言う力を求めている企業は、コンマンシップ(コンマンとは詐欺師のこと)を求めている企業といってもいいでしょう。
さて本来、評価されるべき学力とは、当然、今の学力です。
大学、短大、専門学校で身につけた学力こそ評価されるべきものです。
しかし、日本では、大学の偏差値が高ければ、その大学に通う学生にも、高い基礎能力があると評価されています。
極端な話、大学を中退しても、世間的な評価はほとんど変わりません。
なぜなら、日本の大学は「入ってしまえば、卒業するのは簡単」だからです。
実際に大学に通っていれば分かると思いますが、講義にも出ないで、遊びまくっている人が非常に多いのが現実です。
それでもほぼ全員が卒業できるのですから、大学での講義や「卒業見込」などが、高く評価されるはずはありません。
また、講義に出ないで遊んでいても、試験の直前にノートを集め、多少のテクニックを使えば「優(A)」が取れるのですから、成績に関しても同様です。
つまり、多くの学生にとって、唯一、企業からみて評価される基礎能力は、高偏差値大学の入学試験を突破したということだけなのです。
十人歳時に行なわれる受験戦争は、ほとんどの人が参加する大競争であり、本気の戦いです。
その勝者の力(点数を取る力=偏差値)は、当然、評価されるべきものです。
そして、大学在学中に大きな成長が期待できないのであれば、受験時の基礎能力をそのまま引きずった評価をするのも的を射ています。
現実に、一般常識や適性検査の結果は、十八歳時の受験(偏差値)とほぼ一致するといわれます。
英語や数学が、一般常識、通性検査、資格などに変わっても、点数を取る競争での勝ち負けは、当然のごとく、ほぼ受験の結果通りとなります。
そして、これは多少問題だと思いますが、企業が求める「人間性」の評価も、受験の結果である程度判断されてしまっています。
なぜなら、大学受験のためには、ただ知識を詰め込むだけではなく、努力や根気、意欲、体力、そして目標に向かって頑張るというひたむきさなどが必要だからです。
つまり、大学受験は、十八歳時の総合力(基礎能力+人間性)の戦いととらえられており、その戦いを制した「高い偏差値の大学に行っている人」の評価が、そのまま現在にスライドしているのですから、就職でも学歴・偏差値が評価されるのは、ある意味では当然とも言えるのです。
もちろん、受験の結果(偏差値)では、人間性の中でも特に大切な協調性や人に対しての思いやりなどが分からないため、本来、人間性を評価するものとはなり得ません。
しかし、いい悪いは別にして、企業からみた場合、最も明確に見えているのは、学歴(偏差値)であることが多いのです。
確かに、四年間(実質的には三年間。短大や専門学校では実質一年)で何か特別なことをした人もいるでしょう。
しかし、特別なことができる人間はそんなに多くはありません。
多くの人は、特別の才能がないから、特別の才能がなくても努力で何とかなる受験勉強を頑張るのであり、
特にやりたいことも見つかっていないから、とりあえず進学というステップアップとなる道に進むのだと思います。
この道は正しいと思いますし、私も評価したいと思います。
つまり、学生の評価は、学生時代に何か特別なことをした人を除けば、受験偏差値とほぼ同じになるのです。
分かりやすく言ってしまえば、
50/50の企業群=学校の偏差値と同等の企業
です。
納得のいかない人もいると思いますが、今の評価はきちんと受けとめて、就職では将来のことを考えて活動してください。
学校によって差をつけるのは差別だと言う人もいますが、せっかく十八歳時に高い点数を取って難関校に入ったのに、何の評価もされないということこそ納得がいかないでしょう。
企業からみても、低い点数の人より高い点数の人の方がよりいいのです。
確かに、偏差値による輪切り教育には問題もありますし、人の評価は学歴や偏差値で決まるものではありません。
それに、努力と点数が比例するとは限りません。
しかし、現実には、学歴・偏差値の存在は大きいのです。
そして、よく考えてみると、前述のように学歴や偏差値を重視する理由もあるのです。
なお、誤解なきよう念のために述べておきますが、偏差値だけで人間を評価するのは完全に間違いです。
それに、就職試験の場合、偏差値だけで採用を決めているという企業はありません。
企業は、応募者の絞り込み検索ワードの一つとして偏差値を利用しているにすぎません。
企業も、すべての応募者と会うことは物理的に不可能です。
企業が効率を考えるのは当然であり、企業が、学生の母集団の基準として偏差値を重視するのも、当然の行動です。
そして企業は、応募者をある程度絞り込んでから、さらに多くの試験をして、最終的に採用する人間を決めています。
この採用活動は、「偏差値だけで、人間を判断する」ということではなく、やむを得ない行動であると思います。
「偏差値」という言葉に過剰な反応をする人もいるようですが、
要するに、自分が全体の中で、どの程度の水準にあるのかを客観的に把握して、自分と同等の企業を受けるのがいいということです。
50/50の企業群の見つけ方
50/50の企業群を一発で掘り当てることは困難です。
50/50の企業群は、まずはアバウトに「この周辺の企業」といった程度でかまいません。
そして、本音による企業訪問を繰り返すことで、徐々に50/50の企業ランク、すなわち、いい就職ができる企業群を確定していけばいいのです。
企業には、大学受験ほどに整備された偏差値はありません。
しかし、その代わりになるものはあります。
ランキングや企業規模など、すなわち客観的にみた「いい企業」の基準です。
多くの場合、企業の難易度は、需要と供給で決まります。
行きたい人が多い企業ほど「客観的にみた、より、いい企業」です。
そして、企業からみて、採りたい学生が多くいる学校ほど「より、いい学校」なのです。
高偏差値大学に通う学生は、すべてとは言いませんが、その多くが努力家で優秀、そして常識的なセンスを持った人たちです。
企業は効率を考えて行動しなければなりません。
はっきり言って、学校の偏差値によって、求人を出してくる企業ランクは大きく変わります。
具体的に言うと、50/50の企業群を選定する目安は、無理をしなくても寄せられてくる求人かどうかです。
自分の学校に来た求人、就職部や自宅にDMで来た情報誌の求人、学生職業センターの情報など、自分の周りにある求人が、おおよそ50/50の基準です。
OBから接触があった企業、学校で説明会を開催する企業なども50/50の企業群です。
つまり、
自分の周りにある求人企業が、50/50の、おおよその目安
です。
いい就職をするためには、まず、学生と企業(人事担当者)が一対一の関係になることが大原則です。
一対一の本当のコミュニケーションをしないと、いい就職ができる企業かどうかは分かりません。
しかし、上位企業においては当然、多数(学生)対一(企業)という状況になります。
学生は一斉に手を上げ、企業から指名してもらわないと一対一で話ができません。
一生懸命に手を上げても指名してもらえないのでは、いい就職は無理なのです。
採りたい学生は、集団の中でも光って見えるという話を人事担当者から聞いたことがあります。
光って見えなくても、50/50の企業なら、指名してもらえる可能性は高いのです。
しかし、極端にランクの違う学生に囲まれ、集団の中に埋没してしまうのでは、一対一の関係に持っていくことすら、まず無理です。
ちなみに、一般の人でも知っているような有名企業の偏差値は、アバウトですが、六五以上であり、学生全体の中で偏差値六五以上の水準にないと、応募しても、まず、いい就職はできません。
50/50を外すと、多くは「まとめて、お引き取り願います」ということになります。
最近では、インターンシップ制も上位企業を中心に導入され始めています。
これは、企業の雰囲気や仕事の様子を直に体験することができる素晴らしい制度であると思います。
しかし、これに参加できるのも50/50が基本でしょう。
あまりにランクの異なる学生は、応募しても、お呼びではないはずです。
現実問題として、仮に自分の総合力(基礎能力+人間性)の評価が不当に低いとしても、それを基準にしたランクから就職活動を始めていった方がいいと思います。
いい就職のためには、まず自分にとっての50/50の企業群を見つけることです。
そして、最初の一歩から就職活動を始めていけばいいのです。
なお、女子の場合は、総合力が高くても、女性であるという理由で企業ランクを下げて考えなくてはならない現実がまだあります。
納得のいかない気持ちは分かりますが、どうか冷静に、客観的に50/50の企業群を見つめてほしいと思います。
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