自己PRに自慢はいらない
多くの学生は、特別に自慢できるようなことは、してこなかったのではないでしょうか。
また、プロでもだませるような自己PRを徹底的に作り上げようという人も、それほど多くはいないと思います。
多くの人の自慢系自己PRは中途半端で、PRにならないどころか、むしろマイナスになっているように思います。
実際に、学生のしてきた経験は、本人はすごいと思っていても、大したことはないというケースがほとんどです。
例えば、いろいろなエピソードを挙げて、「人脈の広さでは誰にも負けません」と力説しても、
それを本気にする人事担当者はいないでしょうし、その人脈をあてにする企業もないでしょう。
人脈が広いといっても社会で通用するものではありません。
また、
「インドを一人旅した冒険王」でも、旅行の内容にもよりますが、そんなに大したものではなく、だいたいはフィクションや誇張されていることが多いようです。
一般的に、普通の人々ができることは、普通のことであることが多いのです。
普通の学生にできることは普通のことであって、超人的なことではありません。
超人的なことができる人は、社会人の中でも少ないものです。
それなのに、
「私は、こんなすごいことをしました(さあ、どうだ!)」
「自己分析した結果、私にはこういう実力があります。その理由は○○です(さあ、どうだ!)」
とPRすれば、シラけるだけです。
しかも企業は、学生の、今の実力や経験や得たこと自体ではなく、むしろ人間性を知りたいのです。
人物を知りたいのに、フィクションや演技の自己PRでは何も分かりません。
当然、あまりに派手で、その人とかけ離れた自己PRは、人事担当者も見抜いています。
しかし、相手が真剣なので、その困った自己PRを我慢して聞かねばなりません。
これは、人事担当者にとってもつらい仕事です。
面接している時間の無駄ですし、就職活動のルール違反でもあります。
もちろん、中には本当にすごいことをした学生もいるのでしょうが、そういう人に限って、過剰なPRはしないものです。
「忙しい、忙しい」と言いふらしている人に、本当に忙しい人はいません。
忙しいと言っている人は、暇だから、そして自分の身を守るために、忙しいと自己PRしているだけで、この種の人は「アピールマン」と呼ばれ、ビジネス社会でも軽蔑されています。
就職活動では売り込むことも大切ですが、PRLたいのは、前述したように「ポテンシャル能力=基礎能力+人間性」です。
基礎能力+人間性を、自己PRなどの内容(原稿)で表すのは、かなり難しいと思います。
どんなにすごい自己PRを作成しても、人間の総合力は、スピーチの内容よりも、話し方や受け答えの仕方、態度など体全体で出るものだからです。
新卒の基礎能力をPRするには、自己PRを創作するよりも、筆記試験や適性検査の点数、学校の偏差値などの方が、まだ合理的です。
それらの方が的確に基礎能力を示すといってもよく、創作した自己PRなどより、ずっとPRになります。
また、
ウソや誇張を伴わない誠実で謙虚な言動こそ、相手に高い人間性を伝えることができる
と思います。
逆に、大したこともしていないのに、強烈なアピールをするのは嫌われるだけです。
強烈な自己顕示欲まるだしの人と一緒に仕事をしたくはありません。
自分をできるだけ高く企業に売り込みたいという気持ちが強くなると、どうしてもウソや誇張が入ってきます。
しかし、そんなにすごい自己PRを作っても、「基礎能力」を証明できないばかりか、「人間性」をも下げる結果となってしまいます。
自分を売り込みたいという気持ちも分かりますが、自己PRに自慢は不要です。
自慢は、エントリーシートなどで「自慢をしてください」と要求されたときにすればいいのです。
その際は、特別なものでなくとも何とか自慢できそうなものを、そのまま伝えればいいのです。
もちろん、本当に自慢できるものがある人は堂々と書いてください。
しかし、自己PRを無理に作ってはいけません。
一生懸命に作っても、いい就職にはつながりません。
ちなみに、学生にとって最もPRできることは、学校の勉強を一生懸命したということだと思います。
特別な能力がない人でも、特別な体験ができなかった人でも、勉強をするという機会はすべての学生に公平に与えられていたはずです。
学生の本分は勉強であり、それを一生懸命にした人は堂々とPRすべきだと思います。
現在、大学の授業があまりにも乱れているため、大学の成績は、ほとんど評価されていません。
しかし、成績ではなく、まじめに一生懸命勉強してきたという事実は、サークル、ボランティア、アルバイトなどの活動より、ずっと評価されるべきことだと私は思います。
繰り返しますが、学生の本分は勉強なのですから、評価されてもされなくても、自分の選んだ分野(商学部ならマーケティングなど)については、できるだけしっかりと勉強しておいてください。
そして、まじめに勉強してきた人は堂々と本分をPRしてほしいと思います。
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