就職活動と大学受験との違い
なぜ「実力主義=入ってからが勝負」という定義を重要視するかと言えば、
これまでの時代(日本的雇用の時代)も、これからの時代(実力主義の時代)も、企業に入るとき(入社試験時)には「実力の高い人が勝つ」という実力主義であり、ほとんど変わりがないからです。
つまり、「これからの時代」は「企業に入ってからが勝負」であるということを銘記しておかないと、これまでと何ら変わらない就職準備・活動をすることになり、
結局、いい就職はできないということになってしまいます。
事実、そういう人が圧倒的に多いのです。
これまでの時代では、「入ってしまえば、後は安心」、すなわち、企業に入った時点で勝負がっいたので、就職活動の目標や教えも極めてシンプルでした。
端的に言えば、就職活動の目標は「より上位の企業(一般的に言われる、いい企業)に入ること」、就職指導の教えは「すべての準備や行動をできるだけ高いレベルで行ないなさい。
高いレベルで行なうほど、上位の企業に入れますよ」というものでした。
要するに、企業の知名度や規模や待遇などが、いい就職を判断する基準であり、一言でいえば「上位企業内定至上主義」でした。
これまでの時代も、これからの時代も、入社試験では「実力の高い人が勝つ」のですから、「入るための実力を高めれば、上位企業に入れますよ」という教えは間違っていません。
したがって、現在の就職マニュアルや学校の就職指導も、
どうしたら面接でうまく話せるか、
どうしたら筆記試験の成績が上がるか、
要するに「どうしたら自分を高く売り込めるか」というものが多くなります。
就職は試験であり競争であると考えれば、できるだけ高い評価や点数を取ればいいのであって、そのために努力するのが就職活動ということになります。
これは、偏差値至上主義(上位大学合格至上主義)による大学受験と、ほとんど同じ戦いです。
試験科目が、英語、国語、社会などから、一般常識、適性検査、面接などに変わっただけのことです。
しかし、これからの時代では、就職試験を大学受験と同じように考えると失敗してしまう可能性が高いのです。
日本的雇用の時代と実力主義の時代との相違点を、さらに明確にするため、ここで大学と企業の違いをみてみましょう。
整理しますと、これまでの時代は、以下のようでした。
大学に入るときは、「実力の高い人が勝つ」、
企業に入るときは、「実力の高い人が勝つ」、
大学に入ってからは、「入ってしまえば、後は安心」、
企業に入ってからは、「入ってしまえば、後は安心」
それが、これからの時代は、以下のようになります。
大学に入るときは、「実力の高い人が勝つ」、
企業に入るときは、「実力の高い人が勝つ」、
大学に入ってからは、「入ってしまえば、後は安心」、
企業に入ってからは、「入ってからが勝負」、
つまり、「これからの時代」の「企業に入ってから」だけが変わっているのです。
このように、時代が変わったことにより、就職活動と大学受験とは、違う種類の戦いとなっています。
それなのに、就職でも大学受験と同じような戦いをしてしまうと、「上位企業内定」という勝負に勝って、「いい就職」という試合に負けるということにもなりかねません。
前述したように、企業で普通に働いていると実力がつかないことが多いものです。
つまり、ハードに頑張って、入社試験に勝ち、上位企業に入った人か、そのまま、入ってからの勝者になれるのではありません。
ハードに頑張り、入るための実力を上げるという努力は大いに買います。
多くの人は真剣ですし、ものすごく頑張っていると思います。
頑張ることは大切ですし、応援もしますが、これからの時代の就職活動は大学受験と同じ戦いではないという点に、くれぐれも注意してください。
企業は、大学と異なり、「入ってからが勝負」なのです。
なお、大学も「入ってからが勝負」に変えたいところですが、大学のシステム自体は、そう簡単には変わらないと思います。
大学はいまだに、入ってしまえば、あとはダラダラしていても、ほぼ全員が卒業できるという旧時代のシステムなのです。
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